Uターン転職で気になるのは、給与面ではないでしょうか。都市部から地方への転職では、ほとんどの場合給与が下がります。同じ仕事をするのになぜかと不満に思われるかもしれませんが、区内と郊外でも物価や給与に差があるように都市部と地方にも給与格差があるのです。令和元年10月1日時点の最低賃金では、東京都が時給1013円なのに対し山梨県では838円、広島県では871円です。都市部と地方で最低賃金に150円の差があるとして、1日8時間を22日間働く前提とすると、一か月で26400円、年間では30万以上の差があることになります。正社員の場合、入社時の給与にあまり差がなくてもその後の給与の伸び率が都心ほど見込めない場合も多いです。同じ働きをしても、都市部と地方では年収が下がることを踏まえて移住計画を立てる必要があります。

また、地方には都心ほど多くの仕事がありません。そのため、特定のジャンルに特化した求人が少ないことが特徴です。都心の会社で細分化された仕事のエキスパートとして活躍していた場合、地方で同様の仕事内容を希望するのはかなり難しいでしょう。地方では、特化した専門家よりも守備範囲の広い人材が求められます。Uターン転職を希望する場合は、同じ業界への転職であっても自身の働き方が変わることを理解する必要があるのです。研究職であっても企画提案まで考えた仕事ができる、経理職でも現場をよく知っていて包括的な管理ができるなどのプラスアルファの売りがある場合は、Uターン転職でも有利に就職活動ができるでしょう。